楽しい考察が重ねられてるわ

http://ishbash.blogtribe.org/entry-8a645fe7c2c35a1e9ce3b416172825bd.html
Winnyのお話よ。
以前から何回か書かせていただいている「くまをとる( http://ishbash.blogtribe.org/ )」さんの新しい記事がちょっと面白かったので、またつつかせていただくわ。


winnyはすごいソフトウェアである
すごいって言葉にも色々意味があると思うのよねぇ。で、いくつかの含みを持った上で賛同するんですけれども。


近年、ウェブブラウザを除いてこれだけ普及してネットワークを使い倒したインターネットアプリケーションがあったでしょうか
これについては、あたしはどちらかといわなくても業者側の人間だから言いたいんですけれども。「使い倒さないで頂戴」って感じだわ。だって、そんなにも多くの人たちが使い倒すことを想定しているバックボーンでも値段設定でもないんですもの。
この辺はまぁ、ユーザ側と業者側の、乗り越えるのが難しい壁の一つだわね。


「普及したのは違法性のあるコンテンツを提供したからだ」という意見もあります。確かにその要素もあります。しかし、それだけでこんなに普及したとは思えません。ソフトウェアの仕組みが優れていて、その機能を適切な形で実現していたからこそ、これだけ普及したのです。
もう一つどちらも正しいとは思えない見解だわ。「(違法性を含む)魅力的なコンテンツを適切な仕組みで提供したから」だと思うの。どちらも重要なポイントだと思うわよ?
ただ、そういう意味でいずれにしても、普及という観点からは「うまい」ソフトであったことは事実だわね。


winny開発者の行為の善悪について
あたしは、行為そのものよりもその行為に至った「思想」について言及することが多いのだけれども。それは、行為っていうのは「思想の発露」であり、つまりは「思想の目指す方向に行為が進んでいく」から。言い換えると「その行為の未来を予測することが出来るから」よ。


winnyの開発単体は違法ではない、という世論が一般的になってきているようです。京都府警も(すくなくとも表向きは)そのように言っています。開発・配布・言論などの行為全体が著作権侵害を助長するものであり、それが幇助にあたるという主張です。
あら? そうなのかしら? あたしは一般なんて大衆チックな下賤なお話には疎いほうだからなんともいえないんですけれども。
まぁ「開発・配布・言論などの行為全体」という発想は、それなりにいい方向に進んでいると思うわ。


従って、彼は自分の作ったツールで違法行為をする人が多くいたことを知っていたに違いないと僕は思います。
実は少し懐疑的な部分があるの。「(主に著作権上)違法性のあるファイルなどを交換するために使われていた」ことはきっと知っていたと思うわ。でもそれが「違法行為」であることを、どこまで理解できていたのかしら?
あたしが思うに、実は47氏ってそんなにまずいことだとは思ってなかったんじゃないかしら、って思ってみたりもするの。問題が小さいからこそ「正面突破で攻めちゃえ」って選択肢が発生してしまったんじゃないかしら?
セキュリティとかでよくあたしは言うんですけれども。認識って一番手前の、でもとっても大事なスキルなのよ?


★後ろ向き問題
そして今回の一番大きな問題は、この逮捕が社会が後ろ向きであることの現れの一つであるということです。世の中は既得権益保護に向かっています。CCCD技術の採用、輸入CD関連の規制なんかもその流れです。
そうねぇ。これはあたしもとっても痛切に感じるの。ちょっと後でこれは切り出して別に書き出してみるわ。


知的所有権に乗っかってすでに商売をしている人たちがいて、彼らは社会的に重要な役割を果たしています。それでご飯を食べている人がいて、その人たちとその家族の生活がかかっています。
あら? あたしはここには突っ込みを入れたいわ。
社会的に重要かどうかなんて怪しいと思うし、ましてや彼らは「生活のため」ではなくて「娯楽のため」「私利私欲のため」だと思うわ。あたしはああいった連中の理なんて三分たりとも認めるつもりはないの。

予想していた部分は多々あるんですけれども。今回の件って「肯定部分と否定部分が入り混じっている」のがとても難しい問題だわ。でも最近こうやって「きちんと切り分けて」議論をする人が多くなったのはとても好ましいことだと思うの。
後は「winnyみたいなツールでコンテンツを気軽にやりとりできる社会が来るべきか」という部分への、もう少し突っ込んだ洞察を見てみたい気がするわね。もちろん「この事件を足がかりにしてどんな楽しいことをするか」というのも楽しみだわ。
でも、あたしはもうちょっと別の切り口から一つ文章を書いてみたいと思うの。