サリチル酸メチルとビタミンE酢酸エステルをまぜたものよりも節操なくくっついてよ?

敬愛すべきJASRAC様関連の素敵なニュースよ?
http://www.jasrac.or.jp/release/07/05_3.html
http://slashdot.jp/mobile/07/05/26/1120250.shtml
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070525-00000119-mai-soci


発端は、イメージシティ株式会社*1の展開なさっている、MYUTAというサービスなの。

http://www.nikkeibp.co.jp/archives/413/413681.html より
サービス専用Webサイト(http://www.myuta.jp/)で会員登録を受け付けたのち、アクセスキーと専用ソフトを配布。同ソフトを通じ、会員1人あたり最大150Mバイトまで音楽ファイルのアップロードを受け付ける。またダウンロード提供時は、アクセスキーと携帯電話機の固有キーにより個人認証を行う。
本人以外のダウンロードを許可しないため、「著作権法上で認められている私的複製の領域内のサービスとして位置づけられる」(同社)という。

という記事からわかるとおり、ようは「個人用のストレージをあんたたちに貸して差し上げても よろしくってよ?」というサービスだったみたいだわね。
おそらく、きっと彼らの売りにして最大のポイントは

http://www.nikkeibp.co.jp/archives/413/413681.html より
ダウンロード提供時は、アクセスキーと携帯電話機の固有キーにより個人認証を行う。
本人以外のダウンロードを許可しないため

この部分だったに違いないわ?


でも、お天道様は許しても、偉大なるJASRAC様はお許しにならなかったの。
そうして、25日、とうとう正当なる神の怒りは下ってしまったの。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070525-00000119-mai-soci より
インターネット上にデータを保存する「ストレージ」を利用し、ユーザーが自分のCDなどの音楽データを保存、いつでも携帯電話にダウンロードして聴けるサービスの提供が著作権侵害に当たるかどうかが争われた訴訟の判決で、東京地裁高部真規子裁判長)は25日、著作権侵害に当たるとの判断を示した。
問題のサービスは、情報通信会社「イメージシティ」(東京都台東区)が05年11月から始めた「MYUTA」。ユーザーは音楽データをパソコンから同社のサーバーに保存し、携帯電話へのダウンロードはユーザー本人しかできない。
このサービスに対し、日本音楽著作権協会JASRAC)は著作権侵害だと指摘。同社はサービスを中止したうえで、同協会を相手に著作権侵害に当たらないことの確認を求めて提訴していた。
訴訟で同社は「実質的にデータ複製や送信をするのはユーザー自身。不特定多数への送信はしておらず、著作権は侵害しない」と主張したが、判決は「システムの中枢になるサーバーは同社が所有、管理しており、同社にとってユーザーは不特定の者。複製と公衆(不特定多数)への送信の行為主体は同社だ」と判断。協会の許諾を受けない限り、著作権を侵害すると認定した。【北村和巳】

えっと…ちょっとわかりにくいから、おねぇさんが特別にかみ砕いて差し上げてもよろしくってよ?
つまり「とりあえずデータ保存してあるのが個人持ちじゃなくて会社だから対ユーザサービスは不特定多数って単語が使えるから違法」って感じだわね。
もちろん、屁理屈*2をこねくり回すのが好きで重箱の隅をつつかずにはいられないような、極々一部の、例外的な人は「購入した人間しかダウンロードできねぇんだから何が問題なんだよ」などと、不用意で不必要な発言をなさるかもしれないわ?


でも、落ち着いて、JASRAC様のプレスリリースをごらんになってみて頂戴?

http://www.jasrac.or.jp/release/07/05_3.html より
携帯電話向け音楽データのストレージ・サービス
音楽著作物の利用許諾が必要と判断
−  東京地裁が「MYUTA」運営会社の請求を棄却  −
東京地方裁判所(高部眞規子裁判長)は、5月25日、「MYUTA」という名称の携帯電話向けストレージ・サービスに対し、JASRACが管理する著作権(複製権及び公衆送信権)に基づく差止請求権が及ぶと判断しました。これは、同サービスを提供していたイメージシティ株式会社(本社:東京都台東区)が、JASRAC差止請求権が同サービスに及ばないことの確認を東京地裁に求めていた裁判で、同社の請求が棄却されたものです。

MYUTA」は、同社が運営する携帯電話向け音楽データのストレージ・サービスで、会員ユーザに対しアプリケーションソフト「MUSIC UPLOADER」を貸与し、それを用いて携帯電話用の形式に変換した音楽データをインターネット回線を経由して同社のサーバにアップロードさせた上、ユーザ本人の携帯電話にダウンロードさせて、好みの音楽をいつでもどこでも聴くことができるようにするサービスです。
JASRACは、同社に対して、このサービスには複製権や公衆送信権などの権利が及び、かつ、著作物の利用主体は同社と認められるので、JASRACの許諾を得た上で適法にサービスを開始するよう申入れていました。これに対し同社は、複製や送信はユーザ個人が行っているものであって、著作権法第30条1 項の私的複製に該当する等と主張していたものです。

今回の判決において、東京地裁は、本件サービスにおいては、同社が貸与した専用のアプリケーションソフトを用いて携帯電話用に変換された音楽ファイルが同社の管理・所有するサーバに蔵置され、そのサーバから各会員ユーザの携帯電話に送信されていることなどから、本件サービスにおいて行われる複製及び公衆送信の主体は同社であると判断し、同サービスにはJASRACの有する複製権および公衆送信権に基づく差止請求権が及ぶと判断しました。
今回の判決は、ユーザに対し著作物をアップロードさせるシステムを提供するというサービスについて、そのサービス提供者に著作物の利用主体としての責任が及ぶことを明確に示したものであり、高く評価されます。

ほら。素敵だと思わなくってかしら?
まずポイントになるのは

http://www.jasrac.or.jp/release/07/05_3.html より
JASRACは、同社に対して、このサービスには複製権や公衆送信権などの権利が及び、かつ、著作物の利用主体は同社と認められるので、JASRACの許諾を得た上で適法にサービスを開始するよう申入れていました。

ここだわね。つまり、例え個人のものであろうとも何であろうとも、とにかく理屈がつくなら*3JASRAC様に忝なくも許諾していただき、その御礼をきちんと献上しなくてはいけないのよ?
なのに、きっと

http://www.jasrac.or.jp/release/07/05_3.html より
これに対し同社は、複製や送信はユーザ個人が行っているものであって、著作権法第30条1項の私的複製に該当する等と主張していたものです。

この文章から察するに。許可も得なければ御礼も申し上げなかったのではないのかしら?
それでは「著作権という甘い汁をどこまで吸えるか世界選手権 首位」のJASRAC様からのお怒りを受けてもしかたがないんじゃなくってかしら?
ネットで「今回の件で果たして誰の利益になり得るのか?」という、下世話かつくだらない文章を拝見したんですけれども。
もちろんそんなものは「JASRAC様」に決まってるんじゃなくってかしら?
著作権という高尚なモノのために。一般市民だの著作権保有者だのユーザの利便性だの恥だの外聞だの常識だの良識だのなんてどうでもいいものを切り捨ててかなぐり捨てて、ただひたすらに「中間搾取」という至高なる一点のために。
そこにこそ、JASRAC様の存在意義があるのよ?
だからこそ、裁判長様も

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070525-00000119-mai-soci より
「システムの中枢になるサーバーは同社が所有、管理しており、同社にとってユーザーは不特定の者。複製と公衆(不特定多数)への送信の行為主体は同社だ」

と判断なさるに至ったと思いますの。
ほんの少しばかり、ミリグラムどころかピコグラムくらい冷静な心があれば「どう考えたって理論構築が異常に過ぎる」と思われる判決をあえて行った、裁判長の胸の内を少しは慮ってみては如何かしら?
そうして、そんな裁判長の力業に感激すればこそ、

http://www.jasrac.or.jp/release/07/05_3.html より
今回の判決は、ユーザに対し著作物をアップロードさせるシステムを提供するというサービスについて、そのサービス提供者に著作物の利用主体としての責任が及ぶことを明確に示したものであり、高く評価されます。

などという奇天烈な文章を臆面もなく出すことが出来るのよ?


ところで。
この裁判で裁判長をおつとめになっていらっしゃる東京地裁高部真規子裁判長ですけれども。
これ以外にも、数々の「すばらしい」判決を発明なさってらっしゃるようで。あたくしったら感動を禁じ得ませんことよ?
最近ですと…「一太郎と花子は真似っ子だい@松下」事件ですとか。あたくし的には「マンション"ラヴォーグ南青山"はファッション雑誌 VOGUE(ヴォーグ) のパクリだ」とかがエスプリがききまくっててあたし好みかしら?


なんていうのかしら…見る視点が違うと、ここまで意識が乖離するのね、っていういい見本を見せてもらってる感じだわいつもながら。
とはいえ…そろそろいい加減見飽きたのも事実なのよねぇ。
どうかしらここら辺で「すべての悪行が白日の下にさらされてみる」っていうイベントでも一発なさってみては如何かしら?
きっと、前代未聞の素敵なイベントになってよ?
そろそろ打ち上げ花火の季節ですし。そんな壮大な打ち上げ花火、一生に一回は見てみたいとおもわなくってかしら?


*1:昔は株式会社コンピュータシティだったのが、株式会社イメージパートナーとの合併に伴って2006年の1/1からイメージシティ株式会社に社名を変更なさったそうよ?

*2:まぁお下品

*3:つかなくても、かしら?