道具は誰のためにあるのかしら?

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20050907/220762/
閲覧には登録が必要な記事ですから、ちょっと引用に気をつけながら行ってみるわ。


http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20050907/220762/ より
ユーザビリティがもたらすソフトウェアの新たな進化
…えっと。ユーザビリティを考慮するだけで「進化」って呼べてしまうくらい「今まで何も考えていなかった」のね?
そうねぇ。確かに「顧客満足」とかっていう戯けた単語が出てくるようなお国柄ですから、わからないでもないんですけれども。
いかに本質が見えてないかっていういい証拠じゃないかしら?


http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20050907/220762/ より
ユーザビリティは「使いやすく,ユーザーの目的にかなっている製品かどうか」(ユーザビリティの第一人者である,メディア教育開発センター研究開発部の黒須正明教授)を表す言葉だ。
そうねぇ。概ねよろしいんですけれども、もうちょっと突込みが必要だわね。それは「使いやすく」の部分よ?
それは「誰にとって」使いやすいものなのかしら? そのあたりを真摯に考察しないと、意外な落とし穴があなたを待ち受けてよ?
ちなみに「ユーザにとって使いやすい」が必ずしも正解ではないわ。じゃぁ正解は何かですって? あら、あたしみたいなか弱い女に1から100まで全部教わらないとわからないのかしら?
男ならもうちょっと自分の脳みそを使って御覧なさい?


http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20050907/220762/ より
業務アプリには使いにくいものが多い
これも重要ポイントだわねぇ。
ちょっと長いんですけれども、素晴らしい文章を引用してみるわ。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20050907/220762/ より
しかし現状は「業務アプリケーションには,使いにくいものが非常に多い」(ヒューマン・エラーの専門家)。これには,いくつもの原因が考えられる。その一つが,ユーザーの特性や使用状況は,開発者が頭で考えても分からないこと。業務アプリケーションは,現場の担当者が限られた状況で使う際に便利なものを作らなければならない。だが開発者は対象の業務に詳しくないので「ワープロ表計算ソフトのように,汎用的なソフトウェアを作ろうとしてしまう。しかし特定の業務では,汎用的なものが使いやすいとは限らない」(前出の専門家)。
ここにはいくつもの重要なポイントが隠されているの。ちょっと分解してみるわね。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20050907/220762/ より
その一つが,ユーザーの特性や使用状況は,開発者が頭で考えても分からないこと。
「相手に質問する」っていう当然にして基本的な行為が如何に出来ていないかっていういい証拠よね?
いいこと? 疑問ってのは氷解させるためにあるものなの。妄想のためにあるわけではなくってよ?
しかもその上で

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20050907/220762/ より
だが開発者は対象の業務に詳しくないので「ワープロ表計算ソフトのように,汎用的なソフトウェアを作ろうとしてしまう。
マーフィーの法則ってご存知かしら?
「万人受けは誰にも受けない」
しっかりとキモに命じておかなくてはいけないわ?
で、記事はさらに突っ込みを入れてきているの。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20050907/220762/?P=2 より
ではユーザーの意見を聞けば問題は解決するかと言えば,そう簡単でもない。業務アプリケーションの場合,ユーザーとエンドユーザーが異なることが多い。ソフトウェアの発注元であるシステム部門の担当者が,そのソフトウェアが使われる現場の業務を知っているとは限らない。
まぁこれは論外としても。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20050907/220762/?P=2 より
さらに,エンドユーザーがユーザビリティの悪さに気づきにくいことが問題の解決を遅らせる。
これもまた「あまい見地に基づいた」考え方だわね。
設計もどきとかってのをやってる、ほら、そこのあんた。あんたのことよ。
しっかりと、耳をかっぽじってお聞きなさい?
「何が便利か」を最終的に判断できるのは、ユーザなの。ここの記事の言葉を借りるなら「エンドユーザ」ね。でも、彼らは少なくとも「システムに関して」限りなく素人なの。
つまり「何が便利ですか?」なんて質問、根本的に本質をはずしているの。
そうねぇ。ちょっと例題をあげてみようかしら?
例えば、あなたが似顔絵をプロの画家さんに書いてもらうとするわ。で。画家さんが、いきなりあなたに「顔料はなにがいいですかねぇ? 例えば赤ですが、弁柄と辰砂、アゾ系なんかがありますがどれがお好みですか?」って質問をしてきたら。あなたは自分の好みをちゃんと選べてかしら?


あたし達の仕事のひとつは間違いなく「コンサルティング」なの。相手の要求を「引きずり出して」「分析して」あげなくてはいけないわ?
できればそこから「3〜5個程度の見本」を具体的に提示して、最終的なチョイスを先方さんにしていただけるとベストよね。


http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20050907/220762/?P=2 より
とはいえ現状では「ユーザビリティなどに構っていられない」というのが,ソフトウェア開発者の本音でもあるだろう。ともかく動くアプリケーションを,納期に間に合うように作り上げるだけで精一杯の現場も少なくないはずだ。
まぁこの辺は「MVCって概念を知らない」不勉強な開発屋さんの本音ね。ま、そんなクオリティのモノを提供している限り…死ぬことはないわ。消えるだけで。よく言うじゃない? 「老兵は死なず。ただ消え去るのみ」って。


そうねぇ。こういった記事を見ている限りにおいて、非常に多くの場合において「如何に顧客が軽視されているか」っていう現状が浮き彫りにされていると思うの。
それは、ユーザビリティ然り、セキュリティ然り。
もちろん、素晴らしき「冷徹な企業倫理」とかって話を持ち出してもいいわ? でも、この「駄々漏れに垂れ流し的情報社会」において、そろそろあまりにも時代遅れに過ぎるんじゃなくってかしら?
どんなにひどい扱いをしても昔は離婚率って低かったの。それは、女を家に閉じ込めて、社会への窓口を徹底的に狭くしていたからなしえたことよ?
でも、今はどうかしら? ちょっと頑張れば、女一人でも十分に食べていけるわ。そんな中で「話も聞かずに暴力をふるう、自分を家政婦くらいにしか見ていない夫」と嫌々ながら一緒にいる理由がどれくらいあるかしら?
相手を思いやるっていうのは常に基本よ?
それとも思いやる余裕がないほど疲れてるんでしたら、あたくしがお茶でもご馳走して差し上げましょうかしら? あたくし特製の粉砂糖をたっぷりと入れたお茶で、身も心もゆっくりと安らいでいただきたいわ。永遠に。