「二重三重あたりまえ」って、どこのコマーシャルかしら?

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/07/28/8605.html
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20050728/165438/
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0507/28/news106.html
iPod私的録音補償金制度のお話。あいも変わらずJASRAC様絡みだわ。
まずは日本ゼニゲバ選手権優勝候補、JASRAC様のご意見よ。


http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/07/28/8605.html より
日本音楽著作権協会JASRAC)、日本レコード協会RIAJ)など音楽の権利者7団体は28日、私的録音補償金制度においてiPodなどのデジタルオーディオプレーヤーを緊急に政令指定すべきだとする声明を発表した。

http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0507/28/news106.html より
日本音楽著作権協会ら音楽関係の7団体は7月28日、都内で記者会見を実施。iPodなど私的録音補償金制度の対象にされていないHDDオーディオについても、政令指定によって同制度の対象に含めるべきと強く訴えた。
会見に出席したのは日本音楽著作権協会のほか、日本音楽事業者協会音楽出版社協会日本芸能実演家団体協議会日本レコード協会、音楽製作者連盟、日本音楽作家団体協議会。
まぁまぁ。そうそうたるメンツが寄り集まってるのね。
内容はどんな感じなのかしら?


http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/07/28/8605.html より
声明では、私的録音が許されるのは極めて零細な使用だからだと主張。権利者団体の調査によると、私的録音された楽曲の51%が私的録音補償金制度に含まれないデジタルオーディオプレーヤーなどの機器や記録媒体で録音され、仮にそれらの楽曲をパッケージで購入すると試算すると3,400億円に達する。こうした状況は「零細な使用とはいえない」というのが権利者団体の考えだ。


http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0507/28/news106.html より
著作権法第30条では私的複製を認めているが、極めて零細な使用に限られている。(複製の完全禁止と無制限の複製許可のどちらでもなく、利用者によって有益な)私的複製のバランスを保つために用意されているのが補償金制度であり、音楽の創作サイクルのため、必要であると考えている」「政令指定をしないまま現状を放置することは、文化芸術の振興を妨げる。対象となる機器と記録媒体について、速やかに政令指定すべきであると考えている」
えっと…なにかとても詭弁チックなニュアンスを感じてしまうのはあたくしだけなのかしら?


そうねぇ。色々な意見やら反論やらが、
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2004/08/post.html
http://www.tongariyama.jp/weblog/2004/04/post_11.html
http://d.hatena.ne.jp/sato_rue/20050729/p1
のあたりに載っているの。ちなみに話の根っこのひとつになっている「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約パリ改正条約(抄)」は
http://www.cric.or.jp/db/article/t1.html
からご覧になってちょうだい。


ここで「法律素人娘*1」のあたくしが感じることをひとつ。
例えば、あたくしがCDを買ったとするの。あたしは厳密には「何を購入した」のかしら?
そうねぇ。例えば、その楽曲が、CDとカセットテープと電子媒体ファイル形式(例えばiPodで利用できる形式と仮定しましょ)で販売されているとするわ。
で、あたくしは、ウォークマン*2とCDプレーヤーとiPodを所持しているとするわ。
もちろんあたくしは、その3つの機器のいずれでも楽曲を聴きたくってよ? その場合、あたくしは
・CDを買って後は適宜各種媒体に移し変えて聞く
ことに、いったいどんな問題があるっていうのかしら?
あたしが購入したのは別に「CD形式だから」ではないわ。コンパクトディスクだからっていって興奮するわけでもなければステータスを感じるわけでもない以上、CDという形式そのものに意味はないの。ただ「あたしの手持ちの機材のなかでもっとも汎用的に用いることが可能である媒体」が「たまたまCDだから」あたしはCD形式で録音されているものをチョイスしたってだけよ?
つまり、あたしが本来購入したいのは「あたしが手持ちの機材でその楽曲を拝聴できるようにするためのモノ」なの。「あたしがその楽曲を自由に聴く権利」と言い換えてもいいと思うわ。
本質の中に「機材の種類」なんて関係ないの。
そうねぇ。例えば「A社のCD再生機」で聞いた後に「B社のCD再生機」できくこともありえるわ。これだって「機材を変えている」点においては同一よ?
もしかするとこういう利用でさえそのうち「私的利用の範囲を超えている」とか言い出してくるんじゃなくってかしら?
結局のところ「どう見ても詭弁を用いて二重三重に課金をしたい」裏心がまるみえなのよね。


で、一方でちょっとだけ明るいニュースもあるの。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20050728/165438/ より
祝開店! iTunes Music Store
海外に遅れること2年,ようやく日本にも,インターネット経由で音楽配信をするiTunes Music StoreiTMS)が上陸する。本丸のAppleはまだ沈黙を守ったままだが,楽曲を提供するエイベックス・グループ・ホールディングスが東証一部上場企業としてのIR活動の一貫として現況を発表したことで,iTunes Music Storeの日本上陸が確実であることが判明した。
楽しみだわぁ。もちろん「多分古い楽曲もゲットできるだろう」ってのもあるんですけれども。それ以上に


http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20050728/165438/ より
5億曲売り上げた楽曲料の何%かは確実にレコード会社に入る。まさにガラス張りの会計システムだ。権利者には売れた分だけ確実な収益として還元される。
ここよここ。これこそが素晴らしい状況なんじゃなくってかしら?

そうして、


http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20050728/165438/ より
誤解されやすいので,確認しておかなければならないのは,iTMSからダウンロードした楽曲はプロテクトされており,他人に譲り渡しても再生できないことだ。
iTMSの楽曲配信制限は比較的緩い。最大5台のパーソナル・コンピュータで使え,CD-Rに曲を記録する際は同じプレイ・リストであれば最大7回まで記録でき,何回でもiPodへ転送できる。しかし,それは権利を買い取ったユーザーに限られる。ユーザーIDとユーザー自身が設定するパスワードで認証をかけたときに上記の権利が与えられるのだ。楽曲を買った人に不便を強いてはいけないとユーザーの立場に立って設定してあるものだ。
5台のパソコンに認証をかけたあと,任意の権利を抹消することもできる。したがって,ユーザーは新しいホーム・サーバーとなるPCを購入したような際に,権利を移行することができる。もちろん,ファイルは別のハードディスクにバックアップしておくことができる。こうした仕組みだから,ユーザーは安心して,購入した楽曲をとことん楽しむことができる。
しかし,権利を取得したユーザー以外が,楽曲をコピーして楽しもうと思っても,それはできない仕組みになっている。違法なファイル流出を防ぐ仕組みが組込まれているわけだ。
また,iPodに流し込んだ楽曲データを,別のパソコンで吸い上げることはできない。もちろん,iPod同士をパソコンにマウントして,ファイルを相互にコピーすることもできない。演奏用の楽曲はマウントされた外部記憶装置のボリュームとは別の,ユーザーからは見えない領域に保存されている。 AppleDRM(デジタル権利処理)であるFairPlayが働いている結果だ。これにより,いったんiPodに流し込まれた楽曲が野放図に拡散することを防いでいる。iPodのFairPlayはプロテクトされていないMP3などの楽曲についても同様に機能する。
っていう部分もとても大切だと思うの。「ユーザの見地にある程度立ちつつも」「それなりのプロテクトをはかる」。このバランス感覚こそがよろしいんじゃなくってかしら?
これこそが「ユーザ本位の」健全な市場への入り口なんじゃなくってかしら?


とはいえ。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20050728/165438/ より
さて,実際にiTMSがいつ,どのような形で日本に上陸できるのかはまだ不明な部分が多い。特に日本では,欧米のように1曲100円でダウンロードできるようになるのか,150万曲以上の楽曲を品揃えできるのか,などiTMSのビジネスを魅力的にしている要素を備えられるかどうかが懸念されている。
日本では著作権料をJASRACなどがいったん徴収し,著作権者に過去の実績に基づき再配分するというビジネス・モデルが存在する。iTMSではこうした中間的な流通システムは飛ばしてしまうから,1曲100円程度という低価格販売が可能になる。
日本でのiTMS配信は新曲の場合,数100円,何カ月か過ぎると100円から200円程度にするという情報も推測として流れてくる。オンライン配信に対するレコード会社の不信感、著作権料徴収を仲介する中間的組織の存在など、欧米とは異なる「ステークホルダー(利害関係者)」が、従来モデルを壊さないための仕掛けを徹底的に要求しているからだ。
このあたりからすると、JASRACはきっと「猛反対」を仕掛けてくるわね。そうねぇ「iTunes Music Store に参加する楽曲はJASRACには入れてあげないしJASRACに入ってる楽曲は絶対にiTunes Music Store を使っちゃだめ」って言い出すんじゃないかしら? 理由は…「コピー防止措置が甘い」とかなんとかってあたりが理由ね。もちろん「詳細な技術分析見地」なんてない状態よ。


まぁ結局のところ。「宿り主には相応の配慮をする」自然界の寄生虫よりも悪い「何も考えずに搾取を繰り返す」寄生虫以下のJASRAC達の暴挙が今後の焦点ってことになるのかしら?
それにしても…つぎつぎと「見境のないアイデア」を垂れ流す方々だわ。是非一度、あたくしのサロンで「品性」とか「たしなみ」ってものを学んでみてはいかがかしら?
そうねぇ。あなた達の腐りきった脳みそが少しでもよく動くように、あま〜いロイヤルミルクティを用意して差し上げてもよろしくってよ? 特性の粉砂糖は、きっとあなた達のバカっぷりも癒してくれると思うんですもの。

*1:あら? あたしは小娘よ? 何か文句あるかしら? 文句があるなら「ベルサイユへいらっしゃい」!!

*2:っていってわかる人って減ってきているのかしら?