そのお金は寄進のごときもののはずよ?

http://www.asahi.com/national/update/0622/TKY200506210380.html
http://slashdot.jp/articles/05/06/22/0414259.shtml?topic=72
私的録音録画補償金周りのお話よ。「私的録音録画補償金」を覚えていないかたはネットで調べて頂戴。
まぁここで簡単に説明すると「さまざまな機材が"音楽を録音できる可能性"があるからそれはつまり"著作権の侵害"の可能性があるから可能性があるならいいから金を払っとけって言っても個人じゃ払わないだろうから製造メーカから無理やり搾り取るから払え」って制度よ。著作権を見据えた、とても文化的な制度だといえるわ。
ところが、この素晴らしい制度に異を唱えたとんでもない方がいらっしゃるの。


http://www.asahi.com/national/update/0622/TKY200506210380.html より
家族の姿を録画したという人からの、DVD―R4枚分の補償金返還を求める書類
が送られてきたんですって。とんでもないお話だわ。
ちょっと細かく記事をチェックしてみましょ。


http://www.asahi.com/national/update/0622/TKY200506210380.html より
DVD―RやMDレコーダーなどのデジタル録音・録画機材に補償金を課す私的録音録画補償金制度は、92年に設けられた。録音補償金が93年6月、録画補償金が99年7月から実施されたが、いずれも返還実績はない。
そうよ。いままで一件たりともなかったはずなの。どうしてかわかるかしら?
それは、この「私的録音録画補償金制度」で得られる補償金は「不可侵にして犯すべからず」と定められているものだからよ*1
私的録音録画補償金制度、今でこそDVD―RやMDレコーダーなどのデジタル録音・録画機材に限られてますけれども、ゆくゆくはiPodを初めとするさまざまな機材、HDDなどの「データが蓄積できる」部品にまで影響を及ぼすものなの。一部のうわさでは、録音機能付き目覚ましその他、素晴らしく広範囲にわたるとも予想されているわ。
そんなに広い範囲が管轄できるSARVH( 社団法人私的録画補償金管理協会 : http://www.sarvh.or.jp/ )は、まさに「神のごとき」存在であるはずなの。だとすれば、私的録音録画補償金っていうのは寄進と等しいものであると考えられるわ。
いったい、どこの誰が「一度神様にお渡しした寄進を"返してくれ"と呼びかける」っていうのかしら?


http://www.asahi.com/national/update/0622/TKY200506210380.html より
SARVH事務局は請求者は明かせないとしているが、事務局とのやりとりの中で、制度が知られていないことや、請求者が請求費用を負担するおかしさなどを指摘していたという。
これもとんでもない八つ当たりだわね。
制度が知られていないっていうのは驕りよ。それは「自らがあらゆる物を知る権利がある」って言ってるのと同じくらい高慢な言い方だわ。
大体、制度なんて「知られてないから」便利なんじゃないの。知られて甘みのある部分がなくなったら、いったいどうやって「正当な報酬を*2」頂戴するっていうのかしら?
「請求者が請求費用を負担する」のも当然よ。だって本来「請求しちゃいけない」内容なんですもの。
いいこと? 私的録音録画補償金っていうのは、脳髄まで干乾びちゃったような方々が、その「どうあがいてもどうにもならないほどに低脳な」食道下神経節*3をフル回転させて思いついた「素晴らしい」アイデアなのよ?
そんな、弱者の砦に土足で踏み込むような真似をして、恥ずかしくないのかしら?*4
だからこそ、事務局は


http://www.asahi.com/national/update/0622/TKY200506210380.html より
事務局は「払わなくてよいものを払わされているとの不満があったのではないか」と話している。
なんて発言をしているのよ?
つまりこれって「とにかくいいから何も言わずに何も聞かずに払ってればいいものだし払うべきものというか払わなければならないもの」っていう認識が根底にあるって事よね。
だから、間違っても「そもそも"可能性があるから払え"って乱暴じゃね?」「あれってただの"不当請求"じゃん」「どうみてもただの利権ゴロだべ」なんて発言をしていてはいけないの。
彼らは「著作権」という文化的で崇高な使命を帯びた素晴らしい人徳者な方々なのよ?
大体、ちょっとでも問題意識があったら、この事務局のせりふも、例えば「払わなくてよいものを払わされているとの正当な要求ががあった」っていう風になるんじゃなくってかしら?


だから、これを見ているみなさんは、間違っても「じゃぁ自分も請求してみよう」とか考えちゃ駄目よ?
あたしはもちろん請求なんて面倒なことをしないわ。もうちょっと「臭いにおいは元から」ってのがあたしの主義なんですもの。
近々、もう少しきちんと、この補償金管理協会まわりの「素晴らしいお仕事っぷり」について「肯定的な」お話を書いてみたいですわ。楽しみにしてて頂戴ね。

*1:どこで? とかって突っ込みはおねぇさん嫌いよ?

*2:どこがどんな風に正当なのかはきっと彼らだけの秘密なのね。だって、あたしには正当性なんて予想もつかないんですもの

*3:こんなこと書いたら昆虫の方々からクレームが来るかしら?「俺達はあそこまで低脳じゃない!!」って

*4:あたしなら、土足でなんて踏み込まないわ。靴が汚れちゃいますもの。戦車あたりでひき殺しにかかるのがいい感じかしらね?