駆逐される良貨の気分かしら?

http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000050156,20084592,00.htm
IIJが上場し…ようとして駄目だった、っていうお話よ。
でも、あたしはこのニュースを見て特に不思議に思わなかったわ。


まず断念した理由なんですけれども。直接的には


http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000050156,20084592,00.htm より
株式の公募・売り出し期間だった6月15日から17日までの申し込みが、上場に必要な300人に達しなかったためだ。
とあるわ。まぁ平たく言って「さほど人気がなかった」のね。


IIJについては…色々と思うところがあるわ。
記事にも

http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000050156,20084592,00.htm より
まだまだ「ネットワーク」そのものが研究対象として実験を重ねられていた時代である1992年12月に、WIDEプロジェクトの技術者らが独立して「インターネットイニシアティブ企画」というインターネットサービス事業を企画する企業が設立されたのが、IIJの始まりだった。
そして、1993年7月にインターネット接続の商用サービスを日本で初めて開始し、1994年には個人向けにダイヤルアップ接続サービスを開始した。
なんていう話が出ているんですけれども。
きちんとした技術的バックボーンを前提に、非常に落ち着いた無理のないことをやっていたわ。
きっと、それが投資家の気分に合わないんだと思うの。


投資家って、あたしは「サーファーみたいなものだ」って思ってるの。不安定な大小の波を見極めて「ビッグウェーブにうまく乗る」ことを至上としているんだと思うの。
で、そうだとすると、IIJの「安定した高い技術力」っていうのは、きっと面白みがないんじゃないかしら?
それよりも、もっと「街中でどう考えても赤字なパラソルを掲げて強引に勧誘する*1」プロパイダとか「公社から民営化したのに公社気分が抜けずにしかも技術的にめちゃくちゃレベルの低いものを連発してトラブルを多発させる」通信会社とか「サーバにリセットという"今までになかった"概念を持ち込んだうえに安定性が全然なくて常にバグの温床と化している」OS作成会社とか、そういったほうがきっと面白いんだと思うの。


そういえばどこかの漫画にあったわね。「最高級の赤ワインでキャビアを流し込んで葉巻をふかす」羽振りのいい殿方と「フランネルのスーツ*2の袖口に燻し銀のカフスが光る」懐具合が寂しそうな殿方との比較。
…やっぱり「悪貨は良貨を駆逐」し続けていくものなのかしら?

*1:そういえば「未承諾勧誘」ってのもあったわね。「本人が知らないうちに勝手にサインされちゃった」とか

*2:起毛した生地ってパーティには不似合いなのよね。野暮ったくって