技術者の良心ってものを伺ってみたいものだわ?

http://tanakanews.com/e1008election.htm
アメリカにおける選挙のお話なんですけれども。あたしが引っかかったのは「タッチスクリーン方式のコンピューターによる投票機」周りのお話。
簡単に言うと「いくらでも不正操作が可能な状況」だってことなの。…怖い話だわ。だって、いつ日本にやってくるかわからないんですもの。
あら? アメリカの話だから大丈夫? なにを言ってるのかしら。日本って、アメリカの州のひとつなのよ? 最近の政策とか総理の発言とか見てて気づかなかったのかしら?


で、これを書いた方のもう一つの記事をあわせて読むと、なかなかパンチの効いた内容が書いてあるわ。


http://tanakanews.com/d0819votemachine.htm より
この投票マシン「AccuVote-TS」は、この業界の最大手の一つであるディーボルド社が開発したものだが、ワシントンDC近郊にあるジョンズ・ホプキンス大学助教授らが、このマシンのプログラムを検証したところ、セキュリティに致命的な欠陥があることが分かった。この検証結果は研究者の個人的な見解を越え、ジョンズ・ホプキンス大学が、大学として正式な研究結果として認め、7月下旬に発表した
-中略-
だが、検証結果の報告書によると、市販のスマートカードにあらかじめ特定のプログラムを入れておき、それをポケットに忍ばせて投票所に行くことで、不正をしようとする有権者は、証拠を残さずに1人で何回も投票できるようになってしまう(投票マシンのプログラムはマイクロソフトのウィンドウズ上で動いている)。また同様の方法で、その投票ブースでのこれまでの投票結果を見ることもできてしまう。
しかも、投票マシンから選挙センターのホストに選挙結果が送られる際、データを暗号化せずに送る仕組みになっており、電話線や無線LANといった傍受しやすいネットワークのルートで投票結果が送られることを考えると、あまりにセキュリティが甘い状態になっている。プログラムのソースコードの中にパスワードが直接書き込まれているなど、プログラムの書き方にも問題があったという。
…えっと…なにかの冗談かしら? だとしても、ちょっと笑うにはブラックに過ぎるわ。ブラックで始まるイタリアの朝でも、ここまでブラックな冗句は好まれないと思うわよ?
でまぁ、豪華なのがその後。


http://tanakanews.com/d0819votemachine.htm より
昨年の段階で、全米で行われた選挙の全投票の約2割が、ディーボルド社などいくつかの会社が開発した電子投票システムによって行われている。1人分ずつの電子投票の結果を紙に印字して集計することで、電子システムに不正がなかったかどうかを確認する方法も推奨されたが、アメリカの地方政府の多くが財政難に陥っている昨今、より多くのお金がかかる印字方式を併用する地域は少ない。電子投票は、不正疑惑があっても、開票作業のやり直しができない状態になっている。
そんな中、今年1月、ディーボルド社のFTPサイトで投票マシンのプログラムが社内保守用に公開されていることをネット好きの人々やジャーナリストらが知り、そのプログラムに対する分析が始まった。そして、7月には不正が可能であることが分かり、ネット上で報じられ出した。ジョンズ・ホプキンス大学の研究者の検証は、こうした流れの中にある。その後、ニューヨークタイムスなど大手新聞もこの件を報じた
ここまでヤバイ状況になっているにもかかわらず


http://tanakanews.com/d0819votemachine.htm より
この検証を通じて受けた批判に対してディーボルド社は、検証は選挙についてよく知らない学者が、実際の投票マシンの使われ方を無視し、プログラムだけに注目して批判している、と反論した。プログラムに少々の欠陥があったとしても実際の投票過程で不正が行われることはなく、電話線やインターネットを経由して選挙結果のデータが送られることはないので、たとえ暗号化されていなくても問題はないと主張した。市販のスマートカードを使った選挙不正の可能性については、どのようなプログラムを作ってスマートカードに入れておくとそのような不正ができるのか説明不足で分からない、と返答している。
ディーボルト社の返答は、学者側の指摘を一蹴しており、プログラムを見直すといったようなことは何も言っておらず、欠陥を指摘された後も、同じプログラムが使われている可能性が大きい。
っていう反応らしいのよね。…しゃれになってないわ。
さらに豪華な内容が、元記事のほうに書かれているの。


http://tanakanews.com/e1008election.htm より
ゴアの得票「マイナス1万6千票」
素敵だわぁ。いつから選挙って「票がマイナスに傾く」ようになったのかしら? どこぞのファンタジー小説のように「気に入ったキャラに5点振り分け、気に入らないキャラクターに-1点を落としこむ」っていう風に変化でもしているのかしら?


http://tanakanews.com/e1008election.htm より
電子式投票機は、すでに全米各地の選挙で何回も使われているが、人口数百人の選挙区で数万票が入ってしまったり、集計時に各選挙区の得票数を加算していくべきところをマイナスしてしまう計算間違いが起きたりという問題が起きている。フロリダ州で2002年に行われた予備選挙では、ある選挙区の投票総数の8%が機械の不具合のために消えてしまったという指摘もある。(関連記事
2000年の大統領選挙の当日夜、フロリダ州のボルシア郡(Volusia)という投票総数600の選挙区では、ディーボルド製の集計マシンがゴアにマイナス1万6千票、ブッシュにプラス4千票が入ったと表示する計算間違いをおかした。ES&S製の集計マシンを使っていたブレバード郡(Brevard)でも、ゴアがマイナス4千票になる計算間違いがあった。いずれのシステムも投票結果がマイナスになる計算間違いに対するエラー防止機能がついておらず、選挙管理委員会もマイナス状態にしばらく気づかなかった。(関連記事
これもまた豪華よね。600人の投票で、どうやったら「+4000 vs -16000」っていう数字が発生してくるのかしら?
で。


http://tanakanews.com/e1008election.htm より
電子式投票機を使う場合でも、投票時に投票機の横から投票結果を印字した紙を出力し、それを別途投票箱に入れておけば、不正の疑惑があったとき、投票箱の中の票数を数えて計算することで、正しい選挙結果を把握し直すことができる。
ってのは正しい主張だわ。っていうかむしろ「発想して当然」だと思うの。ところが


http://tanakanews.com/e1008election.htm より
だがフロリダ州を含む全米の多くの場所では、紙による出力を行っておらず、投票機で不正が行われたとしても、それを追及する方法がない。
という素晴らしい状況で、あまつさえ


http://tanakanews.com/e1008election.htm より
投票機メーカーは「紙による出力は煩雑なだけで意味がない」と主張し、共和党系の各州政府も、紙の出力に消極的である。
ってあたりに…香ばしさが漂いまくってるわ。
あれだけ論外なエラーを算出してなお「煩雑だからやらない」っていう言い訳をして、しかもそれが通るってあたりに神経と脳みそを疑っちゃうわね。


あたしたちの扱うシステムって、特に昨今、色々なところに入り込んでいるの。それはつまり、人々の財布や安全や人権や生命や精神や、様々なものにかかわってくるっていうことだわ?
そういうところで、ここまで「問答無用に力押し」を図ってくるってあたりが…さすがわ「力こそ正義」のお国柄、ってところなのかしら?
それとも「Topに洗脳されて国民総テロリスト」状態になっちゃってるのかしら?