あなたのミスは誰のせい?

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/01/10/10428.html
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/01/10/10438.html
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20094161,00.htm
あちこちで騒がれているみたいだわね。楽天さんの「楽天ポイント」周りのお話よ。

これって典型的に「思想と仕様と実装がずれまくった」パターンだと思うの。
企画した人間の本来の意図は

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/01/10/10438.html より
楽天グループ広報部によれば、今回のキャンペーンは「新規の楽天会員を獲得する」というのが本来の趣旨。

だわ。だとすると、きちんとそれを踏襲した設計ってのがなされてなければいけないの。
でも実際には

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20094161,00.htm より
提携しているasahi.comやAOLなどのキャンペーンサイトにアクセスすると、2006年2月28日までの期間限定で利用できる楽天ポイント500円分が取得できる

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20094161,00.htm より
楽天の会員がキャンペーンサイトのURLへアクセスすれば誰でももれなくポイントが付与された。

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/01/10/10428.html より
AOLやasahi.comなどのユーザーである楽天会員を対象に、キャンペーンサイトにアクセスすることで「楽天スーパーポイント」(1ポイントが1円に相当)をそれぞれ500ポイント付与

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/01/10/10438.html より
キャンペーンサイトのURLに直接アクセスすることでポイントが付与されてしまう仕組み

って状況なんだから目も当てられないわ。元々の趣旨にあうのはせいぜいが

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20094161,00.htm より
このキャンペーンを機に新規に会員登録した場合には、さらに300ポイント取得できる

程度。しかも

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/01/10/10438.html より
「常識を超えた範囲」の複数アカウントを登録して大量にポイントを獲得したユーザーが複数いた

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20094161,00.htm より
1人で複数の楽天会員アカウントを取得して、大量にポイントを得るユーザーが相次いだ。

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20094161,00.htm より
大量にポイントを取得するための自動ツールやスクリプトなどまで登場する

ってあたりから考えても、如何に「何も考えずに」設計していたかが如実に現れてるって感じだわ。


もちろん。相手に脆弱性があるからといって、大量のアカウントを使って「明らかにおかしい状況でそれをつつく」連中を擁護するつもりなんてまったくないわ。
でも、それを意図も容易に許容してしまうシステムを作った側に責任は、本当にないのかしら? そんなシステムを設計して、作って、テストして、公表するまでの間に誰も気づかないっていうのは、それはそれでプロとしてどうなのかしら?


…まぁもっとも、楽天さんが「Webのプロかどうか」ってのは大いに疑問視されるところだとは思うんですけれども。どちらかというと商売のほうがお上手でいらっしゃって、システム的な部分は二の次なのよねぇ。
で、それを基準に考えると、不正なものを含むポイントを流出させるだけさせまくった上で

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/01/10/10438.html より
また、キャンペーンで獲得したポイントで商品を購入したユーザーには、いったんポイントを取り消す旨を記した通知メールを配信したが、逆にこの通知メールが、混乱に拍車をかける原因となったようだ。
通知メールには、ポイントを一旦取り消した上、「お客様が商品購入時に利用されたポイント分の代金については、お客様に代わって弊社(楽天)が店舗へ入金の処理をしております。つきましては、ご利用ポイント分を弊社(楽天)よりお客様へ請求をさせていただきます」と記されていた。

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20094161,00.htm より
今回のキャンペーンで取得したポイントを利用してすでに商品を購入したユーザーについては、「商品購入時に利用したポイント分の代金は楽天がユーザーに代わって入金処理しているので、楽天ポイントの規約に沿って楽天がその分をユーザーに請求する」としている。

っていう行動を「初めから想定内で」処理しているのだとしたら。それはそれで、商売上手ってほめて差し上げてもよろしいのかもしれないわ。

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20094161,00.htm より
今回のことで業績予想を修正するようなことはあり得ない

って発言もあるみたいですし、そうだとするとむしろ「楽天が自分のミスをユーザのせいにしたがっている」ってよりは「祭りに乗っかって楽天の策略に引っかかったというユーザのミスを楽天のせいにしようと頑張っている」構図になってしまうのかしら?
まぁどっちもほめられた態度じゃないんですけれども。