どっちもどっち、なのよねぇ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051006-00000011-yom-soci
見出しは著作権物なのか、っていうお話よ。URL的に「そのうち消えてなくなる」でしょうから、たっぷりの引用でお送りするわ。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051006-00000011-yom-soci より
見出し無断使用、ネット会社に賠償命令…読売逆転勝訴
この見出しの限りでは…ちょっと怖いわよねぇ。ただでさえ「ネット上で分けわかんないことほざき倒している」あの読売新聞よ?*1
とりあえず細かいところを見ていきましょ。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051006-00000011-yom-soci より
新聞社がインターネット上で配信している記事の見出し部分を無断使用し、利益を得ているのは不法行為に当たるなどとして、読売新聞東京本社が「デジタルアライアンス」(神戸市)に、損害賠償と記事見出しの使用差し止めを求めた訴訟の控訴審判決が6日、知財高裁であった。
塚原朋一裁判長は、デジタル社の配信事業を不法行為と認め、請求を棄却した1審・東京地裁判決を変更、約23万7700円の賠償を命じた。使用差し止めは認めなかった。
そうねぇ。「利益を得ている」の利益内容にもよるんですけれども。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051006-00000011-yom-soci より
問題となったデジタル社の事業は、新聞社がインターネットサービス会社「ヤフー」などに有料で配信している記事のうち、見出しの部分だけを盗用し、「一行ニュース」と称して配信、広告収入を得るというもの。ユーザーが電光掲示板のように流れる見出しをクリックすると、ヤフーなどのホームページに画面が飛んで、記事の本文が読める仕組みになっている。
リンクして本文記事が読めるように、っていうのは、あたしはいいと思うの。
ただ…広告収入は、確かに微妙よねぇ。「黒」って言い切れないって意味も含めて。

とはいえ、怖いのが読売サイドの主張。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051006-00000011-yom-soci より
読売側は、<1>見出しは著作物であり無断使用は著作権侵害<2>新聞の最終成果物である見出しの無断使用はニュース配信事業を妨害する不法行為――などと主張していた。
見出しが著作権物かって部分もそうなんですけれども、「見出しの無断使用」で「ニュース配信事業を妨害」ってのも、大概言いがかりにしか見えないのはあたくしの気のせいかしら?


そも、この辺の話ってちょっと古い話で色々あったはずなのよねぇ…ってぐぐったら色々と出てきたわ。
まずはこちらからかしら。
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1226/da.htm


http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1226/da.htm より
読売新聞がティッカー配信会社を相手に損害賠償訴訟
ニュース記事の見出し引用は
リンクか、著作権侵害か?
いい感じのタイトルだわね。で、内容なんですけれども。


http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1226/da.htm より
ニュース記事の見出しをネット上で無断配信され著作権を侵害されたとして、読売新聞東京本社が24日、ニュースリンク配信システム「LINE TOPICS」を運営するデジタルアライアンスを相手どって、見出しの使用差し止めと損害賠償約6,800万円を求める訴訟を東京地裁に起こしていたことが明らかになった。
えっと…ものすごい金額がきたわねぇ。だいたいこういうのって3割減で考えるとしても…4700万ちょい。すごいわねぇ。


http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1226/da.htm より
読売新聞は、Yahoo! ニュースに記事を提供しているうちの1社で、同社が著作権を有する記事の見出しがLINE TOPICSで“一行ニュース”として配信されていると判断した。「この行為は、対価を支払うことなく、電光掲示板で読売新聞の記事見出しを使用しているのと同視できる」(読売新聞東京本社広報部)としており、
まぁまぁ。それで金額は、といえば…


http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1226/da.htm より
LINE TOPICSの導入サイト数から少なくとも10月から11月の2カ月にわたり1万3,000機の電光掲示板で使用されたと仮定。その使用料にあたる6,825万円を損害賠償額として算出した。
計算すると大体1機あたり一ヶ月2500円税別。見出しだけでも「普通に新聞取るのと同じ料金がかかる」ものなのねぇ。すごいわぁ。


http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1226/da.htm より
一方、デジタルアライアンスからすれば、LINE TOPICSで配信しているのはあくまでも“リンク”という位置づけである。実際、Yahoo! ニュースをベースとしていたのは記事ページへのフリーリンクが認められているためであり、ヤフーとの間でコンテンツの二次利用に関して契約関係が結ばれていたわけではないという。
まぁこっちのほうが見た目マトモそうな反論よね。


でまぁ、結局のところ「見出し」ってのがどれほどのもんなのか、って話になると思うんですけれども。
http://linetopics.d-a.co.jp/linetopics/main/kenkai.htm
こちらに色々と載っているわ。まぁ「訴えられた側」の発言ですから相応に割り引いて読むべきだとは思うんですけれども。


http://linetopics.d-a.co.jp/linetopics/main/kenkai.htm より
著作権が認められると、その表現を使用するには著作権者の許諾が必要となるわけですから、影響は重大です。ここで「記事」や「記事見出し」について考えてみると、新聞社の報道記事や「見出し」を当該新聞社が作っていることは間違いありません。一般的に、小説や論文などの文章には著作権が発生し、通常は作者が著作権を有しますので、単に「記事の見出しは新聞社が作る」とだけ考えれば、「記事見出し」に著作権が発生しても不思議ではないと簡単に思ってしまいそうです。
そうねぇ。このあたり「まぁやっぱり頑張って作ったものだし…」って思うものなのかもしれないわ。


http://linetopics.d-a.co.jp/linetopics/main/kenkai.htm より
しかし、もう少し具体的に考えてみて下さい。「松井、大リーグ行き表明」「雇用保険料率1.6%に引き上げへ」「東証大幅続落、終値8690円77銭」「日本信販社長が引責辞任発表」「高円宮さまご逝去、47歳」「発泡酒10円〜20円増税へ」これらは今回の裁判で読売東京に著作権があると主張されている実際の「記事見出し」のほんの一部ですが、みなさんは、これらそれぞれに「著作権」を認めてよいと思われますか?これらに著作権が認められるとしたら、同じような表現を使用するには読売東京の許可が必要だということになりますが、それでは我々の表現の自由はどうなるのでしょうか。
あら? とても練られた表現じゃなくってかしら?
きっと、これだけの見出しを書くには「それはそれは大変な苦労」があったに違いないと思うの。ですから、少なくとも読売新聞とかいうくず紙を産出してらっしゃるところに所属する駄記者の方々にとっては、上記のような「ありふれた文章」であっても、著作権物としての性質である「創作性があるもの*2」なんだと思いますわ。


まぁ…本当にどっちもどっちだわね。
他人のWebのリンクを張ってお金を稼ぐんなら、相応に「相手も潤う」ようにしてあげるべきでしょうし。
とはいえ読売さんももうちょっと「まぁうちへのリンクが増えてアクセス数もあがるからそれをうまく利用してやれぃ」くらいの太っ腹なところを見せてもよろしいんだと思いますの。
結局のところ「コスい金儲け」と「狭い根性」とのぶつかり合いって感じかしら? 例えるなら「スタイルの悪い女とブスの女がお互いに足を引っ張り合ってる」って感じだわ?
もうちょっと「お互いにとって利益性の高い」選択肢とかってものをチョイスできないものなのかしらね?
もっとも「出来ない」からこその大手企業なんでしょうけれども。


*1:そうねぇ。例えば「個別記事へのリンクは原則としてお断りしております。特別な理由がある場合は、その理由を付して読売新聞社の了承を得てください。」ってあたり、どう思ってかしら?

*2:騒々しいだけ、の間違いのような気もするんですけれども