勇ましく強い方々への追い銭はいくらかかるのかしら?

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/05/18/7645.html
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/05/18/7650.html
素晴らしい「公益を目的とする社団法人として設立された」、文化事業を展開なさっている、JASRAC様関連のお話よ。
まずはこちらのニュースから、だわ。


http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/05/18/7650.html より
2004年度の著作権使用料は微増、ビデオ・DVDの落ち込みに不安〜JASRAC発表
あらあらまぁまぁあらまぁまぁ。これってとっても大変なことじゃなくってかしら?
あら? もちろん大変って言うのは「ビデオ・DVDの落ち込み」に対してよ? 間違っても「著作権使用料は微増」が大変だなんて思ってないわ? …ああそうねぇ。大幅増ではなく微増である…をもって「大変だわ」って言ってもよかったのかしら? じゃぁそっちにするわ。
ちょっと具体的な内容がやっぱり気になるのが乙女心ってもんよね。


http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/05/18/7650.html より
2004年度のJASRACにおける使用料などの徴収額は約1,108億円で、前年度に比べて1.2%の増加となった。
まぁ素敵な金額だわ。でもこれも大切な文化的事業のためですもの。当然よね?
それに、徴収金額の全額がJASRAC(の一部の、特に上層の方々)の懐に収められるわけじゃないわ?
少なくとも何割か(1〜2割くらいはその割合が占めれるといいわねぇ…)は、著作権を持つ方々の手にもきっと渡っているはずよ?
素晴らしいことじゃない。もしJASRACがなければ、きっと彼らの手元には一銭も入らないはずなんですもの。多分、きっと。


http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/05/18/7650.html より
分野別では、テレビなどの放送局の使用料による「放送等」が約224億円(同13.6%増)、着信メロディなどによる「インタラクティブ配信」が約93億円(同12.9%増)などが増加したものの、CDなどの「オーディオディスク」は約268億円(同5.3%減)と6年連続の減少となった。
つらいわねぇ。「比較的圧力をかけやすいお願いや交渉がしやすい」業者系が延びている一方で、オーディオディスクなどの「ユーザ主体」の徴収が落ちてるってあたりが由々しき事態だと思わないかしら?


収入が減るというのはとても切なくて哀しくて辛いことなの。でもさすがはJASRACだわ。ただ嘆いているだけじゃなくて、ちゃんと次のことを考えていたの。


http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/05/18/7645.html より
iPodなども補償金制度の対象にすることを強く求めていく〜JASRAC事業報告
具体的にどんな内容なのかをざっくりと引用してみるわ。


http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/05/18/7645.html より
私的録音録画補償金制度は、ビデオデッキやDVDレコーダーなどの録画機器やMDレコーダーなどの録音機器、 MDや音楽用CD-R、DVD-RW/RAMなどのメディアについて補償金を徴収し、著作権者に還元する仕組みとして導入されている。ただし、iPodのようなHDD内蔵型プレーヤーやデータ用CD-Rなどは対象となっておらず、JASRACをはじめとする著作権管理団体が対象となる機器やメディアの拡大を求めている。
あら。私的録音録画補償金制度っていう言葉が出てきたわ?
なんとなく雰囲気はわからなくもないんですけれども。ちょっと調べてみたほうがいいかしら?


http://www.jasrac.or.jp/info/private/ より
著作権法では個人的に楽しむためであっても、MDやオーディオ用CD-Rなど政令で定められたデジタル方式の機器・媒体を用いた録音、録画については著作権者への補償金の支払いを義務づけています。(著作権法30条2)これを「私的録音・録画補償金制度」といい、家庭内などで音楽などの著作物を私的に使用することを目的とした録音・録画に対し権利者への補償金を支払うことを定めた制度で、録音については1993年6月から、録画については2000年7月から実施されています。
補償金の支払い方法としては、政令指定を受けた特定機器・記録媒体の製造メーカーなどの協力を得て、ユーザーの皆さまが機器・媒体を購入する際に補償金を含める形で一括してお支払いいただいています。
簡単に言うと「個人利用でも著作権は支払って欲しいけど個々に徴収すると面倒だしとりっぱぐれるからメーカーが一括して払って頂戴」って感じかしら?
そうよねぇ。これって大切だわ。だって、個人利用だろうがなんだろうが「著作権物」を使ってるんですもの。使ってるからには、搾れるだけ搾り取っていかないといけないわ? 大体、著作権物はすべてJASRAC様のものよ? たとえ個人であれ、それを無断で扱っていい理由がどこにあるのかしら?
だいたい、JASRACは「公益を目的とする社団法人として設立された」んですもの。公益のためには、民草のことなんかかまっちゃいられないわ?
たとえそれが、基準価格の1%〜3%程度*1だとしても、しっかりと回収するのが筋ってもんだわ?
ちなみにこの私的録音録画補償金制度で集められたお金はどうなっているのかしら?
その答えは、この補償金制度を担っている、社団法人 私的録音録画補償金管理協会ってところが教えてくださるわ*2
それは、このURLに載っているの。
http://www.jasrac.or.jp/profile/covenant/pdf/4.pdf
http://www.sarah.or.jp/sarah/sarah04_i.html
…ふぅ。分かり難いったらありゃしないわ?
でも、これはきっと彼らが「賢いあまりにあたしたちみたいな盆暗のことを考慮できない」からよね? 間違っても「わかりにくく書いてうまく煙に巻く」ためじゃないわよね?
だから、こんな記事を信じちゃだめよ?
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0505/16/news020.html
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0505/16/news020_2.html
ここには、大変にわかりやすく図解した分配図の構造とかも載っているの。もちろん、記者からの批判的な記事も載っているわ?
でも、それってとんでもないことじゃないかしら?
JASRACをはじめとした著作権協会関連の方々(すべて社団法人なのよねぇ。さすが「公益のため」だわ)は、大切な大切な利益をちゃんと守ってくださってるの。誰からかっていえば、ハイエナのごとく「彼らの財産である著作権」を侵害するあんた達からよ?
だから、彼らは、場合によってはなりふりかまわずに、著作権という崇高で偉大な権利を行使して、振りかざさなくてはならないの。


http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/05/18/7645.html より
意見書では、「HDD内蔵型などのデジタル録音機器については、早急に補償金制度の対象とする」「録音以外の用途にも利用できる汎用型の機器についても、補償金制度の対象に含めることを検討する」「現行の制度では対象となる機器を政令によって指定するとしているが、新たな機器の登場などに迅速に対応できるように改正する」という3点を求めている。
という行動が行われていくのも、結局はその一環なのよ?
もちろん、良識のない、わがままな人たちはあるいは
・"HDD内蔵型などのデジタル録音機器"って下手したら普通のPCもはいるんじゃねぇの?
・"録音以外の用途にも利用できる汎用型の機器についても"って、範囲異常に広くねぇ? ってか、こじつけたら「音声録音機能付き目覚まし時計」とかまで入るじゃん
なんて無神経なことを考えるかもしれないわ?
でも、そんな大それた事を考えちゃいけないの。だって、相手は「公益を鑑みて事業をなさっている」社団法人様よ?
「ただの天下り先のきたねぇやり口じゃん」とか「ってかあれって寄生虫だろ? 俺ら宿主のこともうちょっと考えろよ」とか「まともに"本当の権利者に"いくら支払ってるんだよ? っつかてめぇらの懐にほとんど入ってるんだろ?」とか「そもそも徴収ってどういう言葉だよ? 結局"強制"だろ? パワハラそのものじゃん」とか「おめぇらがいるから音楽業界が先細りしてるんだよ」とか「えらそうに音楽文化振興とか騒いでっけどやってるのってただの"金むしりとり"が"権力欲丸出しで未来潰してる"だけじゃん」とか「寄生虫が文化事業とか奇麗事いってるんじゃねぇよってか中身ねぇんだよ」とか。
そんなひどいことを言ってはいけないわ? 真実は、なによりも相手を傷付けてしまうんですもの。

そうねぇ。「高価な布とハイレベルのデザイナーを使って、注文の仕方を間違えたもんだから果てしなく下種なお召し物になってしまって。だもんだから取り合えず"札びら使えばおしゃれになるだろう"って根性で主義主張もコーディネートもない成金趣味丸出しのアクセサリーをこれでもかってほど身に着けた」、「中身はといえば、顔は不細工で髪型はダメダメで体はまったく鍛えられていない貧相な体で大切なものも見る影もないほどどうでもいいものがかろうじてついているだけ」って感じの男を見ている気分かしら?
そんな男には、哀れみの視線を送りつつ福祉の精神丸出しで眺めて差し上げるのが一番大切だと思うの。
もっとも、哀れんでもらえるのは「その無駄に豪華な外面がひっぺがされたとき」に限るんでしょうけれどもね。


*1: 正確には特定機器は カタログに表示された標準価格の65%相当額の2%(上限1,000円)、特定記録媒体は カタログに表示された標準価格の50%相当額の3%だそうよ(引用 http://www.sarah.or.jp/sarah/sarah02_j.html )。すごいわねぇ。機器だけじゃなくて、記録媒体一枚一枚にまでしっかりと課金してるんだわ?

*2:まぁしかし、社団法人の嵐だわねぇ。こういうのを「雨後の筍の如き乱立」っていうのかしら? それとも「天下り先の負荷分散によるリスクヘッジ」?