○の中の懲りない面々

まずは、尼崎JR事故でお亡くなりになった方々に心からご冥福を祈りたく思います。



さて。あたしがわざわざシステムと関係ない話を取り上げたのには理由があるの。ううん。正確には「システムと関係がないように見える」かしらね?
あちこちで報道されているとおり、JRは「過去の事故を教訓に出来ていない」って話が出ていたんですけれども…そんな話を聞いて、ふと思い出したことがあったの。



あれは、新宿駅でのことだったわ。Suicaを使って自動改札を出ようと思ったら、出れなかったの。あたしはそのまま駅員に話しをして、カードのチェックをしてもらったわ。
そうしたら、駅員曰く「入場履歴がないですねぇ。どこから乗ったんですか? ああ恵比寿ですか。では**円引いておきますね」となだらかにお話をしてくださったの。
普通であれば「ああてきぱきした対応だわねぇ」って思ったんですけれども…気になったので、ちょっと駅員に声をかけたの。
「あら? あたくし、入るときは問題なかったんですけれども。直近の入退場履歴を見ていただけませんかしら?」
ちょっと嫌そうな顔をしながら駅員はそれでも見てくだすったの。結果は…入退場履歴がないんじゃなくって、あたしはすでに「出た」事になっているだけだったの。
つまり、
・カード処理:入場:問題なく処理
・カード処理:出場:課金から減算し、ステータスをリセットしたものの、何らかの事情でエラー:改札機でエラー発生
という状態ね。
駅員の言葉を鵜呑みにしてたら、二重課金されちゃうところだったわ?
ちょっと急いでいたもので、その場は一言「どういうことかしら?」と言うにとどめ、後日改めて、クレームを申し上げに行きましたの。


ここで、先に整理しておくわ。
今回問題になっているのは「手順」の問題なの。運用方法って言ってもいいわね?
つまり、本来であれば「エラー状況を、現在のログから正しく掌握」「問題に即した対応」というのがもっとも普通だわ。
それを、この駅員は「なんとなく適当に推測」「大雑把に処理」しようとしたの。
それでは意味がないわ?
問題を起こさないことは確かに重要なの。でももっと大切なのは、起きてしまった問題を「真剣に受け止め」「分析して」「再発を防止する」事なの。


あたくしが会ったのは、駅長さんではなかったの。でも、本人曰く「今この瞬間でもっとも地位の高い総責任者」だという話だわ。
だから、あたくしは、状況を説明いたしましたの。そうして、その責任者さんがおっしゃった回答を聞いて…絶望いたしましたわ。
「つまり、彼の接客態度や口調が気に食わなかったのですね?」
何度か「違う」とご説明申し上げたんですけれども…問題点をまったく認識できないご様子でしたので、あきらめましたの。


どんなシステムも「完璧」なんてものは存在しないわ。だからこそ、すべての技術者は、その「完璧」という高い峰へ向けて努力をするのよ?
でも、どんなシステムも結局は運用する人次第。使っている人間が、それを指導し、指示している人間が無知蒙昧であるのなら、システムはたやすく凶器と化すわ?
未だお役所体質が器の縁からあふれ出て止まらないJRさんが、果たしてどの程度、今回の事件を「正しく」後につなげていくことが出来るのかしら?
3桁という、筆舌に尽くしがたいほどの大惨事を見て、せめても少しくらいは目を覚ましていただきたいものなんですけれども…