古めかしいお作法、なのかしら?

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0501/25/news068.html
住基ネット関連のお話よ。
ちょっと前に、情報セキュリティイベント「PacSec.JP/core04」ってところで住基ネットの進入実験に関するレポートを発表し…ようとして、結局中止になったっていう事件を覚えてらっしゃるかしら?
あれの続報よ。


http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0501/25/news068.html より
ヌーワーさんは「総務省は最も典型的な検閲を行った。裁判所に不正をただしてほしい」と述べた。
っていう主張らしいのよね。ちょっとチェックしてみるわ。


http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0501/25/news068.html より
訴状によると、総務省は、同イベント用にヌーワーさんが作成したプレゼン資料の一部を公表しないよう、主催者を通じて要求。ヌーワーさんはプレゼン中止を余儀なくされた、と主張している。
あらあら。ヌーワーさんったら、日本の礼儀ってものをきっとご存じないのね?
日本でなにかをしたければ、まず十分な量の「こころざし」を見せなきゃいけないものよ? ましてや、古式ゆかしい総務省関連ならばなおのこと。担当者から始まって、その上司、ご家族に至るまで、十分にご納得いただけるだけの「気持ち」を見せて差し上げないといけないの。
きっとヌーワーさんは、総務省に連絡もいれずに発表をしようとしたのね? もちろん、この場合は「直接総務省に連絡」なんてしちゃいけないわ? きちんと縁故を辿って、裏の裏のほうから「こっそりと」連絡をしなきゃ、だわね。
それでも総務省はえらいわ。そんな礼儀を知らないヌーワーさんに対しても、いきなり「発表するなと命令する」のではなく、きちんと礼儀正しく「主催者を通じて」「要求」してるんですもの。
こういう、一見意味の無い「違うところからの"要求"」っていうのが、正しくも古式ゆかしい礼儀よ?


http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0501/25/news068.html より
法廷でヌーワーさんは「政府は私と直接対話することなく、日本側主催者を脅し、日本側主催者は私を脅してプレゼンをやめさせた。これは典型的な検閲で、民主主義国家として許されることではない。法廷が不正を正してくれることを望む」と述べた
あらあら。ここでも、だわ。奥ゆかしい総務省が「私と直接対話」なんてするはずないんじゃなくってかしら?
奥ゆかしい総務省だからこそ「直接はいわずに婉曲に連絡を取って」いるんだわ。それが日本式の礼儀ってものよ?
それに、きっと脅しなんかしていないわ。彼らは「お願い」をして、主催者がそのお願いに「同意を示した」だけだと思うの。きっと、ヌーワーさんに対しても「誠意ある説得」がなされたのであろうとあたしは信じているわ。その誠意ってのがどんなものかは想像も付かないんですけれども。


http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0501/25/news068.html より
さらに「総務省言論の自由に短剣を突き刺した。『殺すほど深くは傷つけていない』と主張するかもしれないが、出血が死に至る前にたださねばならない」などと訴訟の重要性を訴えた。
あら? 日本にだって言論の自由はあってよ?
ただ、きっと普通の人間が認識する自由とは違うベクトルにあって、スカラー量も異なるだけだわ。


そうねぇ。でもやっぱり、今回の一件に関しては、ヌーワーさんの「日本への無理解」ってのが根本原因じゃないかしら?
だって、日本政府が威信と威厳と利権とを突き詰めて作った住基ネットよ?
まして、無知な連中が無能なりに頑張って頑張って、如何にコストを抑えて自分達の懐にお金が入るかを、ない知恵絞って頑張っているのよ?
そんな住基ネットの問題点を発表なんかしちゃいけないわ? ましてやそれが偽りならいざ知らず、恐らくはヌーワーさんの発表内容って正鵠を射てると思うんですもの。そんな危ないものをそう易々と許してはもらえないと思うわ?
ただでさえ「臭いものには蓋をして」「秘密にすれば誰も何も言わない」って思ってる連中よ? 「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」とかいう単語を都合よく解釈している、そんな連中よ?
そんな連中相手に「真実たる問題点を発表」なんてことをするから、政府が「全力でお願い」をする形になってると思うの。だって、日本って「お上至上主義」なんですもの。ましてや体質は「臭いものに蓋をして」「上位者にこびへつらう」民族よ?
日本が民主主義国家だ、っていう認識に間違いはないんですけれども。民主主義を説明する「人民が権力を所有し行使するという政治原理 (http://www.goo.ne.jp/ の辞書(三省堂提供「大辞林 第二版」)より)」の語句にある人民って「政治家などの権力と財力を持っている人間」って意味なのよ? 少なくとも彼らにとって「平民は人間じゃない」のよ?
そのあたりを理解できないうちは、日本じゃ身動き一つ取れないと思うわ。


そうねぇ。伝統ってとっても大切だと思うの。でもそれは「残すべき伝統を正しく選択して」こそ意味のあるものだわ?
そうして、彼らは「自分達の利益になって分かりやすい」という「正しさ」にしたがって伝統を選んでいるの。
そんな「自分に有利で理解しやすいものにしがみつき、楽なほうに低く流れて澱んでいる」連中と正面切って争うのって疲れるだけよ? それでもヌーワーさんは頑張るのかしら?


ま、最後に一ついうことがあるとすれば。「疲れるからって行動を起こさない男にはアメーバほどの価値もない」ってことくらいだわね。