もう少し色々な角度から物事を見てもらいたいものだわ

Winny関連の、ほかのBlogを見て思ったことを書いてみるわ。
http://hski.air-nifty.com/weblog/2004/06/post_8.html
敬愛する高木先生(id:HiromitsuTakagi)のPage経由で拝見させていただいてるわ。
あたしがとても注目したのは


http://hski.air-nifty.com/weblog/2004/06/post_8.htmlより
P2Pの仕組みをつくるときは、

  1.情報の出所は追跡できない
  2.各ノードにおいて情報を削除することができる

の2つの原則を守ることにしてはどうでしょうか。

  原則1は言うまでもありません。

の部分なの。また、別の場所に

http://hski.air-nifty.com/weblog/2004/06/post_8.htmlより
1.私は、P2Pの仕組みにおいて匿名性が失われることには反対です。
ともあるわ。
このあたりから、P2Pにおいて、このかたが匿名性をとても重視されていることが伺えるわ。ただ、この方にとっては「当然だから」なのか、「なぜ匿名性を重視しているのか」っていう理由の部分が、どこを見ても載っていないの。
この辺の匿名性の有用/無用については、あたしは多分高木先生に近い感覚を持っている、とおもうの。少なくともあたしは高木先生の記述から、自分のスタンスの確立が出来たわ。
まず、基本的にあたしは「匿名性による危険」を大きく危惧しているの。人間の倫理観って、そんなに当てにならないものよ。ましてや「自分が犯罪を犯したってばれない」限りにおいてはなおのこと。そのあたりはWinny著作権法を愉快なまでに無視したものが出回ってた事実がそれを証明しているわ。たとえ削除できたとしても「誰かが流し続ける」かぎり、一定量が流れ続けることになるわ。治療より予防のほうが大切なのはどこの世界も一緒よ?
ただ、一方で「力のある他者から危害を加えられる可能性の高い、しかし広く一般に流したい真実」ってのがあるのもそれはそれであると思うの。その部分を否定するつもりもないわ。
さて。じゃぁどのあたりに折衷案があるのかしら?
あたしは「テキストデータのみのP2Pにおいては完全な匿名性を、画像なども容易にUpできるP2Pでは匿名性なしか、或いは"限られた管理者によってのみ把握できる"匿名性を」ってのが今のスタンスだわね。
画像などが容易にUpできる環境において、あたしは完全な匿名性は危険性のほうが遥かに大きいとおもうの。もちろん「著作権法に物申す」のはいいと思うわ。でもだからって「匿名性の高いP2P著作権法を侵害する」だけじゃ何の意味もないの。それくらい分かるわよね?
一方で、テキストデータの方は、必要に応じて「匿名にしないと、情報を流した人間の生命が危険である」可能性のある情報も流せるわ。いざとなれば画像だって動画だって流せるわ。もちろんそこで著作権侵害なものを流す可能性もあるんですけれども、それは高木先生のおっしゃる「程度問題」だと思うわ。ハードルが高いってだけである程度減るし、それでいいと思うの。
別に「裏社会が完全に一掃される時代」なんてこないと思うし。ただ、あたしは「何も分かってない一般人が気軽に違反を犯せる」現状がおかしいって思ってるだけですから。
 
もう一つ。これはあたしの文章へのコメント、に対する返事だわ。
http://d.hatena.ne.jp/Bear/20040612#p3
正直なところ…視野が狭いわ。短い、って言ってもいいんですけれども。

http://d.hatena.ne.jp/Bear/20040612#p3より
消費者にしてみれば評価とその内容に支払うコストとリスクが見合えば無問題と思うのですが。「店番のばーちゃんがいない」というのは手に入れるためのリスク=0、支払うコスト=0、評価=コストを支払ったときとまったく同じということですから子供は手を出すんではないかと。
そうねぇ。直接目の前を見ればそうだわ。でも「容易に盗める」という事実は、一歩間違えれば「窃盗に対する倫理観の低下」を招くわ。倫理観が低下するってことは、いつか「まぁこれくらいなら盗んでもいいだろう」という甘い意識を、その甘い意識は警戒の欠落を招くのよ? つまりいつか「馬鹿なことをして捕まる」わ。そこまでをちゃんと見越しているのかしら?
別に「盗みをするな」とは言わないわ。でも「自分は犯罪を犯している」っていう自覚は常に持つべきなのよ?
あたしが駄菓子屋の例を出したのは「無自覚な犯罪」があたしは嫌いなの、っていう意味合いだったんですけれども。そのあたり、前後にちゃんと書いてあるわよね?


http://d.hatena.ne.jp/Bear/20040612#p3より
ファイル共有もほぼ同等かと。手に入れるためのコストとそれにともなうリスクがほぼ0だからこそ蔓延したんではないかと思うのですが。
ここに問題があるのが分からないかしら?
確かに近視眼的にはリスクはほぼ0よ? でも、そうなったらその先はどうなるのかしら?
作品を作ってる連中も霞を食べてるわけじゃないわ。でもP2Pで自分の作品が「自分に無収入な状態で」流れ続けたら、彼らはいつか破綻するわ。作品が作れなくなるの。
つまり「将来だれも作品を生まない社会を作る」ことの一端を担っている、とすら言えるのよ?
あたしが悪事を「いいんじゃない?」っていうのは、それは「悪事であることを分かって」「ある程度先のことを考えて」いる場合においてなの。ほとんどのウィルスは、普通宿主をある程度まで生かすことを考えるわ。でも何も考えていない「物体」は、それこそ何も考えずに全滅を狙うことすらあるの。
そのあたりの違いが分からないようじゃ、青いというにも程遠いと思わなくってかしら?