あたしは有罪って言って差し上げるわ

http://www.asahi.com/national/update/0510/004.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0405/10/news008.html
http://slashdot.jp/article.pl?sid=04/05/10/0017250
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004051000023&genre=C1&are=K00
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0405/10/news015.html
http://www.asahi.com/national/update/0510/019.html
http://www.st.ryukoku.ac.jp/~kjm/security/memo/2004/05.html#20040510__Winny
http://www.google.com/search?hl=ja&lr=&ie=UTF-8&oe=UTF-8&c2coff=1&q=+site:www.nan.sakura.ne.jp+47%E6%B0%8F%E8%AA%9E%E9%8C%B2
http://www.asahi.com/national/update/0510/020.html

そうねぇ。あちこちで色々な話が出てるんですけれども。あたしは原則有罪だと思ってるわ。理由は簡単で「根っこにあるのが著作権侵害を視野に入れた開発だった」からよ。
もう少し噛み砕いてみるわね。あたしは常々疑問に思ってたんですけれども。著作権をベースにした法的な問題がないと主張するソフトだとすると、どうしてあそこまで念入りな匿名性が必要だったのかしら?


http://www.asahi.com/national/update/0510/020.htmlより
金子容疑者はこれまでの調べなどに「現行のデジタルコンテンツのビジネススタイルに疑問を感じていた。警察に著作権法違反を取り締まらせて現体制を維持させているのはおかしい。体制を崩壊させるには、著作権侵害を蔓延(まんえん)させるしかない」と供述。インターネット上の掲示板「2ちゃんねる」上では、「そろそろ匿名性を実現できるファイル共有ソフトが出てきて現在の著作権に関する概念を変えざるを得なくなるはず」「自分でその流れを後押ししてみようってところでしょうか」と開発意図について説明していた。
まぁこのあたりの発言から考えても、本人が「違法性やる気満々」なのは見え見えよね。
別に、あたしは「違法なものをやっちゃいけない」なんで奇麗事を言うつもりはないわ。わかっててやってるんならいいと思うし、そういう意味で47氏の態度は「認識した上でやって、且つきちんとそれを認めている」あたりが素敵だと思うの。まじめ一辺倒の馬鹿どもとは比較にならないほどいい男だと思うわ。

ただ、その周囲の議論を見ていると愚かさが際立っているようにしか見えないの。


http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0405/10/news015.htmlより
「ほう助とは正犯の実行行為を容易にする行為。著作権法違反のほう助容疑での立件は『ユーザーの著作権侵害を容易にすることをした』との判断からだ」。
「ただしWinnyは、著作権違反以外にも使える『中立的な道具』。犯罪以外の用途にも使える道具を開発したことが罪になるのかは判断が分かれる。こういったことは日本ではあまり議論されてこなかった分野。ドイツではよく議論・裁判になっているが、判決は多岐にわたっており、結論は出ていない」。
物事をどうしてそう表面からしか捕らえられないのかしら?
そういえば、どこかで「anonymous FTPや、そもそもFTP、プロキシサーバも幇助になるの?」みたいな発言を見つけたんですけれども。バカだわ。脳みそを使うってことを知らない無知な子供なのね、って感じだわ。
どうして無知かわかるかしら?
例えばanonymous FTPを取り上げてみるわ。
確かに「誰でも使える」し、使い方によっては「著作権上違法なファイルの交換をする」ことも十分に可能よ。でも、どこまできちんと設計やら実装やらが追いついているかどうかはともかくとして、anonymous FTPは「意図的な匿名性」は存在しないわ。別にログをかく乱するでもなし。チェックはないにしたところで原則としては「使う人間のメールアドレスを求める」ことで、きちんとユーザが誰なのかを把握しようとしているわ(有効かどうか、ってのは別の問題よ)。FTPプロトコルが作られた当時の事情とあわせて考えてみても、あのプロトコルを作った人間が「違法性のあるファイル交換をすることを前提に作った」とは考えにくいわ(あの当時はネット上では性善説が蔓延してたのよね)。
翻ってWinnyはどうかしら?
あれだけ匿名性を前面に押し出してきたものに対して、ましてやその頃すでにあった「WinMXを視野に入れた」状態で。どうみても「違法なファイル交換を主眼に入れている」ことが見え見えじゃなくってかしら?
だからあたしは有罪だと思うの。この点に関してはあたしは譲らないわ。この辺の論調はまぁSoftEtherの時と一緒だわね。
ついでに「Winnyの使い方を懇切丁寧に解説していた書籍」もいっせいに取り締まってくれないかしら? ネットランナーとか。ああいった「悪事のやり方すら心得ていない救いがたい愚者」はなによりも醜いわ。あたしの目から見れば同罪よ。だって「違法性を把握してる」状態である、という点において一緒なんですもの。アジテートしてる分むしろ性質が悪い、って見方すら出来るんじゃないかしら?

ただね。愚かな騒ぎ方をしている連中が大勢いることも確かですし、こないだのように「便乗した」お話を持ち込もうとしている連中がいること、予想が出来ることもまた確かなの。


http://www.asahi.com/national/update/0510/019.htmlより
作詞家、作曲家らでつくる日本音楽著作権協会(本部・東京)によると、Winnyの登場でレコード会社などはかなりの痛手を被っていたとみられるという。レコード会社の総生産額は毎年減り続け、98年に比べて03年は約3分の2の4千億円に落ち込んでいる。
この辺はまぁ論外だわ。前々から書いているけれども。自分たちの業績の悪化とその原因を明らかに「外因に押し付けたい」すけべぇ根性が見え見え。甘い汁が吸いたいんなら山奥で甘葛でもかじってらっしゃい。人間社会に居座ってちゃだめよ? お猿さんなんだから。

こんなバカは一蹴するとして。
気になるのは「幇助というものをどこまで拡大解釈してしまうのか」という部分。
正直なところ。今回の逮捕劇が、あたしが考えてみるみたいに「前提条件の問題が多すぎるため」に逮捕が行われた、とは考えていないわ。
むしろこの辺がきっかけだと思うのよね。
http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200404300155.html
http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200404300152.html
http://www.asahi.com/special/yahoobb/TKY200403300370.html
http://www.asahi.com/special/yahoobb/OSK200403290025.html
そりゃまぁ必死よね。自分たちのメンツがつぶされてるんですもの。
あたしが嫌なのは「物事の本質から遥か彼方かけ離れた理由で物事が進んでいる」ことかしら。
「結果的に問題がなければいいじゃん」と言う人もいるわ。でも、物事の根底が間違っているって言うことは「いつ歯車が狂っておかしくなっても不思議じゃない」ってことなの。そんな薄氷の上に立脚するような安全性なんていらないわ。
物事の根底がきちんとしていてですら、人間は往々にして目的を見誤ってそれてしまう生き物なの。だからこそ、常に目的の根っこを再確認しながら、必要であれば外部からのチェックも受けながら、つねに軌道修正をする必要があるのよ。
袋の中に入っている生き物を叩いたら「にゃぁ」って鳴いたから猫だ、なんてのは大きな間違いだわ。袋を開けてみてクトゥルーの邪神でも出てきたらどう対処するつもりかしら?

違法なファイル交換の風習が廃れること自体は歓迎するわ。でも「そこから学べること」を学ぶことが出来なかったら、きっとまた同じ過ちを繰り返すのね。
バカは死ななきゃ治らないっていうけれども。一度あたくしのお菓子でも召し上がってみるかしら?