大概にしていただきたいものだわ

spam関連のお話。今日は紙媒体からの引用だわ。ネタ元はSPA! 2004年4月13日号。P30〜31のNEWS CONVENIENCEってコーナーがあるの。謳い文句は「ニュースのツボが100秒でわかる!」なんですけれども…。
とりあえず、気になった部分を引用してみるわ。


SPA! 2004年4月13日号より
名前や電話番号、メールアドレスなど社会と個人を繋ぐ「社会的な個人情報」は、第三者機関を通じての公開を原則にしてしまったほうがむしろ良いのかもしれない。今は中途半端に秘匿されていることがデータを盗む愉快犯や秘密裏に売買する犯罪を助長している。
と書くと、DMが殺到したり、ストーカー被害に遭ったらどうすると言われそうだが、合法的なDMや電子メールの中で不要なものは受信拒否するなどで受信者側で選別の技術を獲得すればいい。中には予期せぬ良い知らせが寄せられることもあるだろうから公開にはメリットもある。
見た瞬間眩暈がしたわ。まさかこんな愚かなことを書く低脳がまだ存在したなんて、信じられない思いでいっぱいよ?
DMもspamも共通しているのは「受け取った人間の時間を無駄に浪費している」事。自分にとって必要なものと不要なものを選別する手間ってのは、意外と高いコストがかかるものなの。まして昨今のspamのようにすごい量が発生している場合にそれは顕著だわ。とある発表によると、メールトラフィックの実に75%がspamと言われている昨今(http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/04/12/2741.html)、その手間は尋常ではなくなってるの。
考えても見て頂戴。来てるメールの半分以上が「無駄な」メールなのよ? しかもspamかどうか判断するために、わざわざ全てのメールに(斜めに読み飛ばし、程度とはいえ)チェックを入れなければならないの。一日に何百通と届く人間にとって、spamの選り分けはそれだけで十分な手間だわ。


SPA! 2004年4月13日号より
電子メールの中で不要なものは受信拒否するなどで受信者側で選別の技術を獲得すればいい
とか書いてあるんですけれども。こんなに技術に暗い発言、久しぶりに拝見したわ。そうね、技術にたいして盲目といってもいいわ。こういう愚かな輩に是非伺いたいの。「そんな技術がいま現在の地球のどこに存在しているのかしら?」
色々な会社で、spamの選り分けがある程度できるようにってことで必死に開発をしているわ。でもかなり分の悪いいたちごっこになっているし、よしんばある程度有効だとして、それらには高い金額がついているわ。
そして、spamが一番怖いのは「ある程度環境が整えばほぼ無料で送りつけることが出来る」って事。これが意味するのは「無差別大量投入」よ。一方で受信側は、特に携帯とかであれば「受信するごとに課金が発生する」の。DMはまだしも発送のコストが結構かかるわ。それでも「多少なりと支障をきたすほどに迷惑」に感じてる人は山のようにいるの。それが「ほぼ0に近いコストで送ることが出来るspam」に置き換わったときになにがおきると思ってるのかしら?
場合によっては、様々なところの「SMTPサーバがspamによってパンク寸前」になりかねないわ。万が一、万が一メールアドレスが「第三者機関を通じての公開を原則」なんかになって御覧なさい? 全世界からアクセスがきて、それこそメールトラフィックがパンクするほどの勢いでspamが飛び交うわよ? だって「公的な生きてるメールアドレスのList」があるんですもの。spamerにとってこれほどおいしいものはないわ。


こんな愚かな記事が書かれているなんて、あたし今でも信じられないわ。
そして当然、こんな駄記事を書いた人間はチェックをするのがあたしの主義なの。
書いているのは武田徹SPA!に書いてある限りでは「ジャーナリスト」であり「評論家」ってことだわ。…で、ネットでしっかり個人のWeb持ってるのよね。
http://homepage3.nifty.com/ttakeda/
がそうだわ。
プロフィールを見たんだけれども…あたしに言わせていただければ「門外漢が山師になって一山当ててみよう」って感じ丸出しで、嫌悪感を通り越して穢れすら感じちゃうわ。
技術的な話を書くのであれば、きちんとした素養があるか、少なくともきちんとした素養がある人間何人かと話をしたりインタビューをしたりして、それなりの考察をしてから書いて欲しいものだわ。
これを見る限り、この人の評論とかってのはまったく当てにならないと思うの。それはきっと「自分自身だけの矮小な見解のみに立脚した極めて個人的で限定的で視野の狭い、一般性や公平性やそういったものからは遠く隔たった」ものであろうと予想できるからよ。
現に今回のspamまわりのお話がそのまんまなんですもの。きっとこの人のメールボックスへのspamは、少ないか、或いは本人が「選り分けることにさほど苦痛を感じていない」か、のいずれかなのね。いいわね、暇が有り余ってる方って。
あたしは違うわ。少なくとも一日に3桁単位の、バイアグラがどうだのネットでのねずみ講がどうだのってメールが飛び込んでくる現状は本当にうんざりしているわ。もちろんある程度はフィルタで引っ掛けているわ。具体的には複数のbadlistやベイジアンなどよ。それでも、それをかいくぐってくるメールですらすでに3桁に達してる今、…本当に嫌気がさしているの。あたしの貴重な時間が、そんな愚か者達のために費やされているなんで、考えただけでお肌の調子が悪くなりそうだわ。
そうねぇ。こういう評論家もどきには、こんな言葉を差し上げても「よろしくってよ?」
味噌汁で顔あらって、一昨日おいでなさいな
spamって、もう少し「その問題性」を「真摯にとらえて」議論していきたい内容だとあたしは思ってるの。だからこういう愚かな発言は見逃せないわ。よろしくってかしら?